異変
はじまりは不正出血
コロナが少し落ち着いたかな。というある年の春先。
家族で温泉旅行を計画した。
春とはいえまだまだ雪がガンガン降る地域なので、髪が凍りそうな気温の中で入る露天風呂が最高なのだ。
温泉を明日に控えウキウキな私を、ヤツが一瞬でどんよりに変えた。
トイレでがっくりとうなだれる私。 完全に生理だ。
以前は28日周期でぴったり来ていた生理が、ここ2.3年で不順になっていた。
生理日管理アプリが出してくれる予定日を1週間遅れるなんてこともたびたびあったし、この月も、温泉旅行の日には生理は終わっている予定だった。
なのにまだ始まってもいなかったし、前兆に必ずある眠気やイライラもない。
これはきっと1泊2日の温泉が終わるまで来ないだろう。と都合良すぎな考えでのんびりしていた。
それがこんな直前になって。
もう!
せっかくの温泉なのにーー!
(そもそも計画性がない私がいけないのだけど。ピルでずらすとかしとけよ。)
ズーーーンとした気持ちのままその日を過ごしたのだが、
あれ?あれれ?
最初にトイレに行って以来、全然出血しない。
出発の朝も全然出血なし。
なんだか変だけど、とりあえす温泉入れるーー!うれしー!
と単純な私は温泉を満喫した。
2回目の生理と出血
無事に(?)温泉旅行から帰った私は、そういえばあれはなんだったのかと
改めて考えた。もしかして妊娠?!それはちょっとビビる…
違うとは思うけど一応、ドキドキしながら検査してみるも陰性。
その後1週間を経過してやっと改めて生理が来た。
いつも通りの量、期間で。
ほっとしたのもつかの間で、性交後出血がこのあと2回ほどあり、やっぱりなにかおかしいと思い病院を受診してみることにした。
ガン検診
異変を感じた私は、割とすぐにクリニックを受診した。
女医さんがいるクリニックだったのだが、その日はおじいちゃん先生だった。
女医さんが良かったな。と思いつつ内診台へ上がる。
何回乗っても慣れない と、よく目にする文言そのままの気持ち。
痛いし。。
先生曰く
「びらんでしょう。子宮の壁が脆くなってる状態だから簡単に出血するよ。生理周期も長くなっているでしょう。」
「しばらく検診受けてないから、一応子宮頸がん検診しておこう。がん検診に引っかからなければ特に気にしなくてもいいよ。」と。
出血しやすくなってるから。ってのが原因ね。
原因が分かったからとりあえず安心。
よし。これでひと仕事終わり!
あとは「異常なし」と書かれた検査結果が届くのを待つだけだ。
私にしては素早い行動だった!よしよし。
と本気で思っていたし、受診から3日後には検査結果が届くことすら忘れていた。
なんておめでたいヤツなんだと今では思う。
そろそろダウンコートを仕舞おうかと考えていた頃。
検診のことなんてすっかり忘れて過ごしていた私に、見覚えのある字で宛先が書かれた封筒が届いた。
見覚えがあるのも当然。検診結果を郵送してもらうためにクリニックで自分が書いたんだから。
やっと届いたか。と、忘れていたくせに偉そうに。
「異常なし」を確認しようと軽い気持ちで覗いた用紙には、
「高度異形成(HISL)
至急受診してください。精密検査を受けられる病院を紹介します。」
なにこれ。どっきり?
「あははー…。」 と言いながら隣にいた蒼さんを見ると
「え。大丈夫?かな。早めに行かなきゃ。」とほんの少し不安げな顔。
笑えないやつかも。と思いながらもまだ大丈夫という気持ちのほうが強かった。
ごあいさつ
お立ち寄りいただきありがとうございます。
子宮頸がんステージ1B2期で広汎子宮全摘出術を受けた経緯を記録しています。
同じ状況の方の情報収集にほんの少しでも参考になればと思います。
また書きます。
ももこ